浮気の証拠｜裁判で使える浮気の証拠はどんなものがあるのか

裁判を起こすということはイコール慰謝料の請求をするということです。配偶者の浮気が発覚し、離婚を前提に裁判で争う場合にはどういった証拠があれば良いのでしょうか？裁判で使える浮気の証拠とは具体的にどういったものがあるのでしょうか？

離婚を前提に裁判を起こすということ

それはつまり配偶者に対して慰謝料を請求するということです。慰謝料を請求するためには、まず相手の不貞行為を明らかにしなければなりません。それには不倫相手との肉体関係を確認できる証拠が必要なのです。不倫相手との浮気の証拠なんて、そんなものなくても浮気をしているのは明らかなんだ！と声高に叫んでも、それが本当だとしても裁判所相手には通用しません。では何をどうすれば裁判で有利に事を運ぶことができるのか？

裁判に有効な浮気の証拠３選

１．ホテルを出入りしている写真を２～３日分以上

なぜ２～３日分以上かというと、１度肉体関係を結んだだけでは法的に不貞行為とはいえないからです。不貞行為とは配偶者以外の異性と性的関係を持つことですが、１度のみの肉体関係では長期に渡る不倫関係にあったという証明にはならないため、慰謝料を取るには不十分であるといえます。特定の異性との不貞行為が複数回に及び、日常的に親密な関係であったという確実な証拠にするためにも、浮気相手とホテルを出入りしている写真は２～３日と複数日に渡ったものが良いでしょう。

２．ホテルでの滞在時間を確認できるもの（一般的に４０分は必要）

異性とホテルに入ったというだけでは不貞行為の証拠としては弱くなります。確かにホテルに入ったというだけでは、たまたま異性と一緒にいた時に相手の気分が悪くなり、少しホテルで休ませただけ、という言い訳もできてしまいますね。ここで重要となるポイントが「滞在時間」です。一般的に４０分程度の滞在時間をもって不貞行為があったと認識されますので、複数に及ぶホテルへの出入りとともに、４０分以上の滞在があったという証拠が必要となります。

３．自宅やアパートが密会現場の場合は５日以上の出入り写真

不倫現場は何もホテルだけではありません。浮気相手の部屋であったり、許しがたいことですが不倫相手を自宅に連れ込む場合もあります。自宅やアパートは一般的に生活の拠点という認識です。ホテルと違い性行為を強く表す場所ではないため、２度３度訪れただけでは証拠としてはずいぶんと頼りないものとなってしまいます。自宅、アパートなどが密会現場の場合は５日以上に及ぶ出入りの写真を用意すれば裁判の証拠として有効なものとなります。また、訪れた回数に加えてホテル同様に滞在時間も重要です。時間帯にもよりますが、いつ部屋の明かりが消えたなどといった情況証拠も加えておくと信ぴょう性が高いものとなります。

え？これって浮気の証拠にならないの？

意外と知られていないのが、それだけでは浮気の証拠にできないんだよ、というものです。配偶者に突きつけて真実を暴くという点では使えるのですが、裁判となるとまた違った話になってくるのでこれでは証拠として弱すぎる、、というものが以下４点です。

◆浮気相手と思われる人物とのメールのやりとり

いくらいやらしい会話があろうと、親密そうなやりとりでも、単なるメールのやりとりだけでは不貞行為の証拠としては成り立ちません。これではメールで悪ふざけをしただけに過ぎないのです。もちろんLINEなどでのやりとりもこれに含まれます。

◆浮気相手と思われる人物とのツーショット写真

親密そうに写っているツーショット写真が！でも、ツーショット写真なんてお付き合いしていない人とでも撮ることがありますね。残念ですがこれも証拠にはならないのです。

◆ラブホテルなどのポイントカード

ラブホテルのポイントカードが出てきたとなれば、どこかの誰かといかがわしいことをしたんだろう？と想像に容易いのですが、ポイントカードを所持しているからといっていつどこで誰と利用したのかが不明なので、これひとつで証拠というわけにはいきません。

◆ホテルのダブルルームの領収証

一人で出張のはずなのにホテルの部屋がダブルルームだった、これは浮気の証拠になるはずと意気込んでみても空振りに・・・ダブルルームといっても他の部屋が開いていなくて一人で泊まることもありますし、ホテル側の手違いでダブルルームになってしまうこともあります。

浮気の証拠を示す媒体はなんでもいいの？

自分一人で浮気の証拠をつかもうと、携帯のカメラ機能でホテルを出入りしている動画を撮ったり、滞在時間は出入りからおおよその時間をメモしたり頑張った！でもそれでは裁判に使える証拠にならない可能性が高いのです。

浮気の証拠を確実なものにできる媒体は以下のものとなります

◆デジタルではない写真やビデオ

え？このデジタルな時代にデジタルでないもの？と驚かれるかもしれませんが、容易に編集が可能な方式のものは証拠としては弱くなってしまうためです。それに携帯のカメラ機能では鮮明さに限界がありますから、きちんとした高性能な機器を使用して撮影され、はっきりと顔を確認できる写真やビデオが確実です。

◆決定的な会話を録音したテープ

不貞を認めたやりとりのはいった録音テープ（ICレコーダーなどは上記と同様の理由で避ける）は証拠になります。

◆決定的な内容が書かれた電子メール

単なる電子メールでは意味がありませんが、自ら不貞の内容を認めている記述のある電子メールならば証拠となります。もちろん提出の際にはプリントアウトが必要です。

その他にも証拠となりうるもの４つ

◆不貞を認める記述のある日記や手紙などの類のもの

◆不貞行為の裏付けとなるクレジットカードの明細書など

◆ラブホテルの領収書など

◆ホテルに入るのを見たなどの第三者の証言

この４つは証拠となりうるのですが、一個人が収集した情報の場合には合法的にその情報を入手したかどうかを示すことができないため、証拠にならない場合もあります。

これらの情報を確実に裁判に使える証拠とするには、やはり興信所や探偵社などのプロが請け負う必要があります。費用はかかってしまいますが、確実に慰謝料を取り有利に別れるためには仕方のない出費なのかもしれません。