「もう絶対にしないから！」
そう謝罪されて許した浮気。しかし、舌の根の乾かぬうち、パートナーの背後に見え隠れする異性の影。
一度浮気をする人は二度浮気をするという話を聞きます。
そして、昔の人の言葉には「二度あることは三度ある」というものがあります。許す度に浮気をされてしまうと、さすがにうんざりしていまします。
縁があって結婚したわけですから、そう簡単に離婚したくないと思っても「二度あることは三度ある」とまで繰り返されては、離婚という結婚生活の終焉を選択肢として考えてしまいます。
離婚は双方の合意で離婚届を提出して行うのが基本です。片方が離婚を渋った場合、離婚話は調停や裁判での決着に持ち越されます。何度も浮気をされた結果「離婚」という選択肢が脳裏をちらついている人は相手に言い訳できないような浮気の証拠を用意しておくことが望ましいと言えます。
しかし、ここで考えます。今まで何度も浮気を繰り返したパートナー。浮気の度に証拠集めをしてきたとして、その証拠は果たして法廷で役に立つのでしょうか。それとも直近の浮気の証拠しか役に立たないのでしょうか。
二度も三度も繰り返すパートナーの浮気にうんざりしている人が知っておきたい、浮気の証拠についての知識を解説します。せっかく集めたい証拠は無駄にしたくありませんよね。
前の浮気の証拠も使えるの？
結論からいうと、一回目の浮気、二回目の浮気、三回目の浮気・・・浮気の回数に関わらず、浮気の際に集めた証拠を使うことは可能です。ただし、それがどれくらいの証拠能力を持つかはケースによります。
考えてみてください。一回目の浮気が四十年前で、二回目の浮気が二十年前、そして今回の離婚問題にまで発展した浮気が数カ月前だとします。
あなたが調停委員や裁判官だったら、果たして四十年前や二十年前の証拠に対しどんな印象を持つでしょうか。
法律に関わる人の判断もそれぞれです。「さすがに四十年前の証拠はちょっと・・・」と言われてしまう可能性があります。
このあたりは弁護士に「ちょっと古いものですが」と断りを入れて、使えそうかどうか確認してもらうといいでしょう。
証拠はもちろん、無いよりはもちろんあった方が「この人は三回目の浮気です！」「もういい加減離婚したいです！」という主張の裏付けとして役立つことでしょう。浮気の間隔によっては、慰謝料などの請求においてももちろん有利に働く可能性が高いです。
ただし、これはあくまで可能性の話です。浮気の証拠なら何でも良いわけではありません。
基本的に過去の浮気の証拠も使えますが、絶対に使えると太鼓判を押すこともできません。「使える場合もあるし、もし使えたら有利に働くことがある」という可能性でしかお答えできません。ちょっと難しいですね。
浮気という法的な言葉はありません。法律の場では不倫という言葉もありません。浮気や不倫は「不貞行為」という言葉で表現されます。法廷で証拠として使うためには法廷で使える形式でかつ役立つ浮気の証拠でなければいけません。
どれくらい前のものかを気にするより、「証拠の形式」や「役立ちそうな浮気か」を気にする必要があります。
いざ法廷で「これでは使えない」と言われてしまっては意味がありませんものね。それに、せっかく集めた証拠だからこそ離婚という自分の人生の区切りに役立てたいものです。
証拠の集め方は難しい？証拠は多い方がいいって本当？
例えば三度浮気をしている夫がいたとします。この夫の浮気について過去に集めた証拠の中で使えるものは主に「密会」の証拠です。過去の浮気の証拠としてメールの記録を一枚ないしは二枚用意しておいても、ばっちり密会をとらえた記録には適わないといえるでしょう。
この密会の証拠とは、写真や時間の記録です。
夫が浮気をしていた場合、ホテルへ夫と浮気相手である女性が入っていったという映像や写真はとても強い証拠となります。ただしこの証拠、一般的に一枚の写真では足りないと言われているのはご存じですか。
ホテルで密会するとしても、たった一度の過ちであれば情状酌量の余地ありと判断されるかもしれませんし、浮気をした夫も弁護士をつけて言い訳をするかもしれません。
ホテルでの密会写真は一枚ではなく、日を変えて二枚、三枚と合った方がよいとされています。そう考えると、今まで笑って許してきた過去の浮気の証拠も、大いに役立ってくれる可能性があるということです。
また、ホテルでの密会を捉えた写真だけでなく、二人がどれくらいの時間ホテルに滞在したのか記録をとっておくことが重要です。写真だけでも確かに調停委員や裁判官は「怪しい」という心証を受けるかもしれません。
ですが、ホテルに相手の女性と滞在したのがたったの3分だったらどうでしょう。ラウンジで名刺交換していただけという可能性だって出てきてしまいます。だからこそ、浮気していたという証拠として使うため、それぞれの写真に添えて滞在時間を記録しておくことが望ましいと考えられます。
浮気の証拠は形式も大切！だからプロに依頼を
加えて、情報の形式も重要になります。
メモ帳に走り書きでは、さすがに法廷の証拠としてはどうなのでしょう。チラシの裏に浮気相手とホテルで滞在した時間をメモし、それをそのまま法廷で「見てください」と言うのもちょっと違う気がしますね。撮影した画像や取得した情報を法廷で使える証拠としてまとめる必要があります。
きちんとした形式としてまとめておけば、もちろん過去の浮気の証拠も立派な資料として役に立つことでしょう。
情報や写真の形式やまとめ方については、探偵や法律家に相談するのがいいでしょう。あるいは、プロの探偵に「法廷で使いたいと思っています」と相談してまとめてもらい、過去の証拠も合わせて弁護士などにチェックしてもらうといいでしょう。
最後に
過去の浮気の証拠ももちろん使うことができます。しかし、証拠はただメモしておけばいいわけではなく、ただスマートフォンで写真を撮っておけばいいというわけではありません。情報のまとめ方（形式）がとても大切であるからこそ、情報収集の段階で探偵などのプロにお願いすることにメリットがあるのです。
自分で形式まで考えて証拠を集めるのは大変なことです。スマートフォンで写真を撮影しようとしても、これぞ浮気の証拠という写真を撮ることができなければ意味がありません。
浮気の証拠はどうしよう？
悩む前に、まずは探偵や弁護士に相談し、時間のロスなく進めることが大切です。せっかく浮気のたびに証拠をとっていたのに、その証拠が使えないとなっては意味がありません。プロにお願いすれば「いざとなったら証拠として使えませんでした」ということがまずありません。安心して任せることができますよ。
