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浮気を原因とした離婚は「面倒」「大変そう」「揉めそう」という印象があるのではないでしょうか。
確かにその通りです。原因が夫婦のどちらかの浮気であれば、ほとんどの場合はパートナーが怒りますし、怒った結果として厳しい離婚の条件を突きつけてくることも珍しくありません。
最終的に離婚届を提出すれば成立ではあるのですが、そこに至るまでの道のりが、夫婦双方に責任なく協議が円満に完結している離婚よりも波瀾万丈の荒波になることが多いです。
夫婦双方に責任のない円満離婚が舗装された綺麗な高速道路であるならば、夫婦の片方が浮気という有責性のある行動により離婚原因を作ってしまった場合の離婚は石だらけのぬかるんだあぜ道であることでしょう。
当然、車で離婚までの道のりを行くのなら綺麗に舗装された高速道路の方が早いに違いありません。だからこそ、皆さんが浮気を原因に離婚に至るケースに対して持っている印象は間違いないといえるでしょう。
今回は浮気を原因に離婚をする場合の中でも特に子供のいる場合に焦点を当てて手続きや流れをご説明します。
子供のいる離婚と子供のいない離婚では、中身がかなり変わることをご存じですか?
子供のいる浮気での離婚は大変!なぜなのか
子供がいようといまいと、最終的に離婚をするには自治体の戸籍を管轄する窓口に離婚届を提出することになります。
離婚届の提出時は子供のいる、いないで手続きが変わるということはありません。ですから、離婚するためには「離婚届を提出する」ことがゴールであると考えておくのがいいでしょう。
ただし、子供がいると、いない場合に比べて離婚までの道のりが難しくなる傾向にあります。それはどうしてかというと、子供をどうするか決めなければ離婚ができないからです。
離婚届には子供の親権について記載する欄があります。つまり、「子供をどうするか」の中でも、少なくとも親権者が決まっていなければ離婚はできないことになっています。
空欄のまま提出してしまうと「お子さんはどちらが引き取るのですか?」と言われて離婚届を受理してもらえません。
離婚をするために定めることが必要なのは、
① 子供の親権をどうするか
であり、離婚届受理のためには絶対必要というわけではありませんが、子供の今後のことで揉めないためにも、
② 養育費の額や支払方法
③ 子供を引き取らない側の親が子供と会う際の決まり事
などを決めておくことが望ましいと言えます。
つまり、子供のいる、いないで離婚届の様式が変わるわけではなく、最終的に離婚をするために離婚届を提出することも変わらないのですが、離婚届を提出するまでに決めておかなければならないことが子供のいない夫婦より多いということなのです。
決めなければならないことが多いからこそ、その分だけ離婚届提出までの道のりが大変になる可能性が高いということです。
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離婚について①から③を決めるタイミングは
これら①から③を決めるとして、どのタイミングで決めたらいいのでしょう。
①は離婚届を提出する時点で決めておかなければならないことです。
離婚をしてしまって子供の引き取り手が存在しなければ、未成年である子供は宙ぶらりんの状態になってしまい、明日からの暮らしすら危うくなってしまうことでしょう。
離婚届によって夫婦関係は解消されますが、親子関係は解消されません。夫婦だけ関係を切ってすっきり。子供のことは知らない!ではいけませんよね。
離婚しても父親は父親、そして母親は母親です。子供の親として子供を養育する義務があるのです。
離婚後は一般的に夫婦の片方が子供を引き取り、もう片方が養育費を支払う形で子供を養育します。しかし、子供を引き取るのはどちらかさえ決めれば、養育費については離婚後に決めることも可能です。
自治体の窓口では離婚届の提出に際して「養育費はどうなりました?」「養育費のことは決めましたか?」「親権はお母様として、お父様はどれくらいの頻度で子供と過ごされるのですか?」といった確認はしません。あくまで子供の親権が決まっており、離婚届にしっかり記載があれば、養育費などにはノータッチであるといえます。
離婚について①から③は離婚届提出前に
離婚をするためにはどちらが親権を持つかを決めればいいため、時に養育費など子供に関するその他の事柄を後回しにしがちです。
「困ったら決めればいい」
「離婚するほど嫌いだったのだから顔も見たくない。今更、養育費を請求するために顔を合わせるなんて嫌」
「さっさと離婚したかった」
などの感情的な理由により、養育費について定めずに離婚することも現実はかなり多いです。
お金のことを決めなくても離婚できるとはいえ、後回しにしてしまえばトラブルのもとです。
なぜなら、離婚が決まってしまえば後は赤の他人になるわけですから、あらためて養育費の取り決めをしようとしても逃げられてしまう可能性があるのです。
離婚届に記載は不要であり、離婚するために絶対に必要なことではなくても、離婚後は話し合いの場を設けることが難しく、しかも話し合いに応じず相手が逃げてしまうというリスクがあるため、養育費などの親権以外で離婚時に必用な話し合いは離婚届を提出する前に行い、しっかりと結論を出しておきましょう。
流れとしては①から③の話し合いは離婚届提出前に行い、形に残るようにまとめておくことが大切です。
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浮気での離婚について条件は公正証書で
形に残るといっても手書きのメモ帳では後に争いになる可能性を否定できません。いざ離婚届を出したら元夫が「そんな約束知らない」と言って逃げてしまうことも考えられるからです。
そこで、特に②の養育費の取り決めなどのお金の話は、公正証書として形に残すようにしましょう。公正証書のメリットは、作り方や内容によっては、相手が約束を破った時は即座に強制執行できるという点です。
公証役場に行けば夫婦の話し合いの内容を文書として形にすることができます。ただ、夫婦二人で公正証書の中身を決めるのではなく、行政書士や弁護士に関与してもらい、後に争いになるような内容で形に残すことがないように作成することも大切です。
自分たちだけでまとめるより、後で金銭的な諍いになる可能性が格段に低くなることでしょう。
最後に
子供がいる夫婦の離婚は子供のいない夫婦より決める事柄が多いという特徴があります。決める事柄が多いからこそ離婚届提出までの時間は子供のいない夫婦よりも多く必用になるといえます。
離婚をするためには親権定めればできますが、後のトラブルを回避するためにも離婚届提出時に絶対決めておかなければならない事柄というわけではない「子供に関するお金の約束」もあらかじめきちんと決めておくのが望ましいです。
お金は人を変えるといいます。世の中、借金問題をはじめとしてお金で揉めることはとても多いです。これから夫婦から赤の他人に戻る二人だからこそ、浮気の次はお金で揉めないよう、決めるべきことは決めてお別れすることが大切なのではないでしょうか。