夫や妻が浮気していることを空気や態度から察すると、独自に浮気調査をはじめる方は少なくありません。
もちろん「浮気?」と思っていきなり探偵事務所や弁護士事務所に駆け込む方もいますが、専門家への調査依頼は相応の金額が必要になりますから、無駄に高額な費用を払うよりならまずは自分で確実に「浮気している」と突き止めてから専門家に依頼しようと考える方が多いです。
長年連れ添った、そしてこの人こそはと思って結婚した夫婦の場合、決定的な浮気の場面を見ていなくても、会話や態度、雰囲気から何となく察してしまうことも珍しくありません。
明らかに「変わった」ということなら、それも一つも確証なのかもしれません。帰宅後に幽かに女物の香水や化粧品の香りがするなら、それもやはり浮気の証拠ありと断じることができるかもしれません。ですが、この程度の証拠では、心の中の確証は十分でも、離婚や話し合いの証拠としては不十分です。相手にしらを切られたら終わりだからです。
「何となく」「匂い」「態度」「行動」「空気」「言葉遣い」といった夫婦だからこそわかる形のないものではなく、第三者でも「これは確実に浮気ですね」と判断するような浮気があってはじめて離婚手続きや話し合い、裁判や調停に進もうという話になります。
しかし、自分で「第三者にも浮気だとはっきりわかる証拠をつかむ」にはどんな調査をすればいいのでしょうか。真っ先に思い浮かぶのは、現代社会において無くてはならない連絡ツールとなっているスマートフォンではないでしょうか。浮気相手と連絡を取る場合もスマートフォンを使うため、履歴や送信済みメールなどが目に見える形で残っているのではないでしょうか。しかし、ここでさらに考えます。果たして、勝手にスマホを見るのはアリでしょうか?
スマホはプライバシーと個人情報の塊!だからこそ浮気の証拠も
スマートフォンは現代において無くてはならない連絡ツールです。会社や家庭、友人と連絡を取り合う場合、多くの方はスマートフォンを使っています。もちろん、浮気相手と逢引の連絡をするためにもスマートフォンは代表的なツールとなっています。芸能人がスマートフォンのアプリのせいで浮気が発覚してしまったことは記憶に新しいのではないでしょうか。
このようにスマートフォンが連絡に必須ともいえるツールだからこそ、スマートフォンから浮気がバレてしまうことが少なくありません。
だからこそ浮気の証拠を得たいという場合、スマートフォンへ真っ先に目を付ける方は少なくないはずです。
しかし、スマートフォンを勝手に見ることは許されるのでしょうか。
家族であろうと、そこには「プライバシー」という問題があります。例え同居し、大抵のことは「いいよ」で許していたとしても、個人にはやはり知られたくないことがあります。
家族であってもみだりにプライバシーへ踏み込んで相手の知られたくない秘密を暴くことは決して褒められることではありません。もし自分が暴かれる方の立場であったらどうでしょう。こっそり同僚と約束していた妻に内緒の飲み会や、夫に秘密にしていたお高いお店でのママ友とのランチ。この程度であれば笑って許してくれるかもしれません。
しかし、中にはスマートフォンでもっと重要なやり取りをしていることもあります。
会社で重要なポストに就いている方や機密に関わる部署に籍を置いている方は、スマートフォンを使って仕事上のやり取りをすることもあります。仕事上の機密の場合「妻だから見ていいでしょ」「夫だから知っておきたい」は通用しません。例え家族、そして夫や妻であれ、その会社に勤めている方以外は部外者なのです。教えられないことをスマートフォンでやり取りしていることもあるということです。
スマートフォンには家族にも見られたくないプライバシーと機密が詰まっています。家族に「見ていいよ」と言われていないスマートフォンを勝手に確認してもいいのでしょうか。「プライバシーの侵害」になることはないのでしょうか。勝手に見ることによって犯罪行為になってしまうことはないのでしょうか。
浮気の証拠集めのためにスマホを勝手に見たら犯罪になるの?
家族のスマートフォンを勝手に見ることに関しては、特に犯罪には該当しないと解釈されています。ただし、道義的、そして道徳的には相手のプライバシーを勝手に暴くわけですから、バレた場合に家族内で大問題になる可能性があります。また、犯罪にはならないけれど、民事上の問題になる可能性はあります。警察に捕まるような犯罪ではないけれど、法的な責任追及の可能性はあるということです。相応のリスクは覚悟しなければならないということです。
現状、「スマートフォンを勝手に見ても刑事罰はないけれど、損害賠償などの民事面における追及の可能性はある」というあやふやな状態です。しかしこれはあくまでスマートフォンの履歴を勝手に見るという行為に対してだけのもので、場合によっては罰則の対象になることもあります。例えば、スマートフォンから夫や妻のFacebookなどのSNSに勝手にログインした場合、「不正アクセス」に該当してしまいます。不正アクセス禁止法により、こういった行為は禁止されています。
スマートフォンを勝手に確認する行為に関して罰則はありません。しかしながら、確認の度合いによっては罰則があるということです。浮気相手とスマートフォンで連絡を取り合うことはよく行われており、証拠を探すためにはスマートフォンを確認することは有効であると言えます。しかし、境界線を間違えてしまうと、罰則の可能性があるということを覚えておく必要があります。また、罰則に引っかからなくても、家族のプライバシーに踏み込むということで、損害賠償請求のリスクは意識しておく必要があるのではないでしょうか。
最後に
パートナーの浮気の決着が離婚であれ慰謝料請求であれ、決着のためには証拠が必要になります。証拠は「香水の匂いがする」「浮気をしている気がする」といったパートナーだからこそわかる感覚的なものではなく、第三者が見てもはっきりと「浮気をしている」とわかる確固たる証拠が必要です。
スマートフォンはプライバシーの詰まった確固たる証拠の塊のようなものです。基本的に相手のスマートフォンを勝手に見ることは犯罪には該当しませんが、SNSに不正にログインすることなどのある境界線を越えてしまうことにより罰則に該当する可能性があります。また、罰則に該当しない場合でも民事面で賠償請求という責任追及がなされることがあるので要注意です。
浮気の証拠集めは第三者の目で見てもはっきりわかる確固たるものでなければいけないからこそ難しいもの。だからこそ探偵会社というプロに依頼し、浮気の証拠を集めましょう。