LINEが原因で浮気がバレてしまったという話を耳にしたことはないでしょうか。有名芸能人がLINEでの浮気会話を公開され、浮気が世間の知るところになったニュースは有名です。芸能人のようにニュースを賑わわせることはなくでも、浮気相手とのLINE中にお手洗いに行ったらその隙に妻にスマートフォンをチェックされて追及を受けたなどの「LINEによる浮気バレ」はよくある話です。LINEが登場する前は電話やメールの履歴から浮気バレをすることもあったわけですから、LINEから浮気が発覚するのも当然といえば当然の流れかもしれません。
しかし、ここでちょっとした疑問です。もし皆さんがLINEで恋人や妻、夫に浮気をしてしまったとして、一体どうするでしょうか。その画面をそのまま相手に突き付けて浮気を白状させるでしょうか。話し合でまとまれば、確かに相手にスマートフォンの画面を突きつけることも一つのきっかけになるかもしれません。しかし、LINEを見て浮気を知ったとして、最終的に離婚を決意した場合や慰謝料を請求する場合は、相手にその場で突きつけるだけでは意味がありません。法廷で決着をつけるなら、証拠が重要になるからです。
LINEは浮気の証拠になるのでしょうか。証拠として有効なものなのでしょうか。テレビを騒がせたLINEでの浮気発覚について、証拠の面から考えてみませんか?
■SNSの発達により浮気もTwitterやLINEで
インターネットが発達し、たくさんのSNSサイトが登場しています。LINEだけでなくTwitter、Facebookなどは利用者も多く、利用者の中には利用者同士でネット上や私生活問わず活発に交流する人たちもいます。中にはそれぞれのSNSのメリットや機能を最大限に浮気に使う方もいます。
例えばツイッターの場合は自分が申請を承認しないとフォローできないツイート非公開アカウントにして浮気相手とのレスポンスを楽しむといったことや、ツイートに反映させず特定の相手とだけ会話ができるショートメールのような機能であるダイレクトメールを使い浮気相手と連絡を取る人もいます。
SNSが発達する前は基本的に直に会うか、メールか電話だったわけですから、最近は友人や知人とSNSで連絡を取りやすくなったとともに浮気相手ともこっそり連絡を取りやすくなったわけですから、困りものです。そして、実際にこうしたSNSを使って浮気が行われているという実態は、ニュースや世間話から読み取ることができます。しかし、その中でも浮気のツールとして最も有名なのは、ニュースで浮気関連ワードとして注目を集めてしまったLINEではないでしょうか。
LINEはリアルタイムで浮気相手と会話ができるツールです。シンプルなので使いやすく、連絡も取りやすいSNSです。しかし、リアルタイムで会話できるからこそ、会話しているところを妻や夫に見られて浮気の追及に発展しやすいSNSでもあるといえます。
■浮気の証拠を突きつけなくても離婚は可能!ただし揉めたら
もし妻や夫がLINEで浮気と思われる会話をしていて、しかも問い詰めたら「ごめん、浮気をしていたんだ。慰謝料もちゃんと払うよ」と素直に謝罪する流れになったとしたら、話はスムーズではないでしょうか。あるいは、ここで「やり直そう」という結論が出た場合や、浮気に合意して条件でも揉めずスムーズな協議離婚となった場合なら、話は非常に速いのではないのでしょうか。「浮気した」「していない」で揉めていませんから、「証拠はどうした?」という話にもなり難いです。しかし、世の中そうスムーズに行くとは限りません。特に男女の恋愛は古くからトラブルの筆頭として数々のドラマの題材になっているくらい根が深く、難しい問題だからです。LINEで浮気が発覚して離婚話で揉めた場合は、やはり「証拠は?」という話になります。
離婚問題がもつれて第三者を間に入れた話し合いをする場合や離婚裁判や離婚調停を行う場合も第三者や裁判所側に提示する証拠は必要不可欠なものです。
しかしここで考えてしまいます。浮気が発覚する原因となったLINEに証拠能力はないのでしょうか。証拠にはならないのでしょうか。
■LINEの会話は浮気の証拠になるの?
浮気の証拠として昔からよく使われるものが「記録」です。写真や明細など、「記録」として第三者にも提示できるものが証拠として使われています。公文書や私文書など、どこが発行したかによって証拠能力の強さが異なることがあります。しかし、証拠能力としての強さはあれど、記録として提示可能であれば、証拠になる可能性があります。「目で確かに見ました」だけでは、争いの場では弱いです。「これが証拠です。見てください」と、記録をその場に出せることが重要なのです。「証拠はあるけど保存していない」では意味がないですよね。
LINEの場合、浮気の証拠にならないわけではありません。法廷での浮気は「肉体関係があること」が一つのLINEになります。相手とデートしたり、愛しているという言葉を交わしていたりというだけでなく、肉体関係があるかどうかがポイントになるのです。ラインでの会話で明らかに肉体関係があるということを仄めかしていれば、それは裁判官の心証に影響するでしょうから、一種の証拠になります。自分の経験や夫の疑わしい行動の記録などと共に提出し、裁判官の心証を自分の方に傾ければLINEが一つの重要な証拠になったといえるでしょう。
ただし、LINEでいくら睦言を交わしていたとしても、肉体関係が読み取れず「ただ冗談でやり取りしていただけ」と逃げられてしまうことも少なくありません。だからこそLINE以外でも浮気の証拠を積み重ねておくことが必要なのです。他の証拠としては、「夫や妻の疑わしい行動を記録しておいたノート」「日記」「ホテルの領収書」「メール」「電話の履歴」などが浮気の資料や証拠として役立つ可能性があります。
中でも強い証拠になりやすいのが、決定的な場面をおさえた写真です。何時何分に長く滞在していた浮気相手とホテルから出てきた瞬間の写真は探偵などのプロに依頼しなければ用意することが難しいですが、決定的な証拠として使うことも可能です。
■最後に
浮気を追求するだけなら、LINEを表示したスマートフォンの画面をそのまま恋人や妻、夫に見せればいいのではないでしょうか。しかし、ただ二人の間で追及するだけでなく第三者に間に入ってもらったり、裁判所を利用したりする場合は、どうしても「形のある浮気の記録」である「証拠」が必要になってきます。
妻や夫が浮気のために足を運んだホテルの明細も証拠ではあるかもしれません。浮気相手と一緒に訪れたコンビニエンスストアのレシートさえ浮気をされている側からすれば「これが浮気の証拠です」と言いたくなるものかもしれません。しかし、浮気の証拠は「浮気相手」「浮気をしている」ことが第三者の目にもはっきりわかるものでなければ言い逃れをされて終わりです。証拠であることが重要なのではなく、強い証拠であることが大切なのではないでしょうか。
証拠集めはプロに依頼しましょう。探偵であれば裁判や調停で使える強い証拠を、あなたの代わりとしてプロ目線でしっかり集めることができるのです。